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「僕の桃源郷」 第1章 第1項

タイトル 「僕の桃源郷

第1章 僕の存在証明

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 鳴るはずのない時間帯にケータイのバイブがブブッ、ブッ、ブッと震えだした。その何とも心地の悪い振動で僕は目が覚めた。ケータイの画面には「09:32」と最近では見慣れない時間が表示されている。

 半年前に仕事を辞めた。上司がとんでもない独裁者でもなけりゃ、同僚が一眼レフ、カフェ、ヴィレバン大好きサブカル系民族だったわけでもない。理由は特にないのだ。気の迷い、気まぐれ、天のささやき、理由なんてなんでも良かった。ノープランでノージョブ生活を選び、ノーフューチャーでノーマニーになり、3年間交際していた彼女にも愛想を尽かされ、ハイリスク・ノーハピネスで華麗な弧を描がき、見事な着地を決めた。僕はこの難易度Eの技を僕の名前にちなみ「フジワラ」と名付けることにした。

 

 しかし、僕の暮らしは思いのほか安定している。そして、3カ月が過ぎようとする頃に感じたことが、僕の無職生活のセンスは抜群らしい。優等生であり、即戦力でエースとして使える。

 

 カリスマニートの僕には、「朝・昼・夜」という概念はない。だから、「午前」と「午後」という区切りもない。目覚めた時が始まりで、眠りに着く時が終わりという実にシンプルこの上ない時間の流れ。

顔は洗わない。歯も磨かない。髭を剃ることも仕事を辞めたと同時に辞めた。そう、僕には彼女もいないのだから。そして、「起きる・食う・飲む・射精・寝る」これが僕が確立したゴールデンルーティーンなのだ。

 

僕はブレることはなかった。多分、意思は強いほうなのかもしれない。

今思えば、「子供のころから、とにかくグリーンピースが嫌いで一生食べないと自分と両親と担任の先生達に誓ってからの30年間、口にすることがなかったのは、僕自身でも気づいていない潜在的な意思の強さなのかもしれない。」そう考えれば、これは「好き嫌い」ではなく、ごく僅かな人だけがたどり着ける「無我の境地」言うなれば「オーバー・ザ・ヒューマン」。今の自分に置かれたこの状況を誇るにはお釣りがくるほどの理屈である。

 

今まで、長々と能書きをこいてきたが、まぁ、一言で言え僕はイタいのだ。

詰まるところは「ドンマイピーポー」という言葉を自分自身に捧げたい。

 

そんなドンピこと藤原晴彦(30)の「誇れる今」に一石を投じやがりにやったのが、今日の僕の一日の始まりを告げたこの一件のメールなのだ。

 

2へ続く